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~はなちゃんのみそ汁 安武信吾さんの講演会~ 子供に遺せるもの

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今日は第5土曜日、息子くんは登校日です。また、10時からは保護者向けの講演会が催される為、私も学校へ出かけました。

安武信吾さんによる講演で、「あなたは子どもに何を遺せますか」というテーマでした。
安武さんは「はなちゃんのみそ汁」の著者です。がんを患った妻の千恵さんが33歳で亡くなるまでの闘病生活の中で、まだ幼かった4歳のはなちゃんに、みそ汁作りや身のまわりの事を自分で出来るように教える事で、1人でも生きていける力を身につけられるよう、「自分の命は自分で守る」「食べることは生きること」というメッセージを遺されました。
2016年には、広末涼子さん主演で映画化され、全国で放映されましたので、ご存知の方も多いと思います。

 

現在、安武さんは「弁当の日」を推進されており、その活動は全国の小中学校で広まっており、映画化も進められています。
安武さんは、現在も食育の大切さを講演会や自身の仕事等を通じて伝え続けていらっしゃいます。九州大学では、コンビニやファストフードに頼らず、自分で料理を作る暮らしを目指す少人数のセミナー「自炊塾」を取材され、はなちゃんが講師として招かれた際のエピソードも語って下さいました。
はなちゃんが作ったみそ汁よりも、ほとんどの学生は化学調味料で作ったみそ汁の方が美味しいと答えたそうです。だしの旨味や本来の素材の味は、やはり小さい頃に養っておく事が大切だと話されました。

「弁当の日」は、香川県の滝宮小学校で竹下和男校長先生(当時)が始められました。
子どもが自分でお弁当を作って学校に持ってくるという取り組みで、献立や買い出し、調理、弁当箱詰め、後片付けまで、親の手を借りずに全て子どもが行います。
親も先生も、その出来具合を批評も評価もしないという約束です。
スライドでは、たくさんのお弁当の写真や子供たちの笑顔が映し出されました。最初は品数も少なく茶色ばかりのお弁当が、回数を増すごとに、品数だけでなく、色どりや詰め方にも工夫が見られ、親が作るものと遜色のない出来栄えに変化していて、本当に感動しました。

息子くんが通っていた小学校では、卒業間近の感謝の会の際に、親の為にお弁当を作るという行事が一度だけ行われました。正直、朝の忙しい時間に、台所に立った事も数回しかない息子くんに、横からあれそれと口出ししてました。危なっかしく、とても1人で任せられない状態で、時間に間に合うように手伝って持たせました。
私と同じような思いでついつい手を出してしまう親が多くいる事も、安武さんはお話されました。正直、取り組みを始められた当初は、竹下校長先生にも、クレームは絶えることがなく、先生達も困っておられ、止めて欲しいと言われていたそうです。
親が作って持たせた子供たちは、お弁当を友達の前に出せずにいるそうです。
ある男の子は、次のお弁当の日に向けて、親を必死に説得して、自分の力だけで作った黒こげのおかずを詰めたお弁当を、誇らしげに友達や先生に披露したそうです。
自立の一歩を成し遂げることが出来たエピソードでした。他にもいくつかお話されましたが、どれも感動的で涙が出ました。

この取り組みを通じ、毎日お弁当やご飯を作ってくれる親にはもちろん、大勢の給食を作ってくれる方々、野菜やお米農家の方、命を頂くという事へと想像する力が育まれ、同時に子どもたちは感謝の心を知り、自己肯定感が育まれていきます。
失敗から多くの事柄を学び、生きる力や思いやりの心を身に付けていくのだそうです。

そして、私たち大人は、子どもを信じて見守る事の大切さを知ることで、家族団らんが増え、家庭に笑顔や会話があふれるようになるというお話でした。
コミュニケーションが少なく、核家族化があたりまえとなった現代にこそ、このほんのささいなきっかけが、昨今の悲しい事件を減らすことにつながっていくのではないかともおっしゃっていました。

このお話を聞いて、思い出した出来事がありました。
確かに、我が家でも上記のとおり、卒業前の行事ではお弁当を一緒に(ほぼ手を出しましたが)作りました。息子くんは、「自分で作らなくちゃいけないんだよ!」と言ってましたが、とても1人で作らせることは出来ませんでした。(過保護ですね…)
その後は、中学へ上がってから料理をさせたことはありませんでした。ですが、昨年の母の日、急に「僕がやる!」とお昼ご飯を作ってくれました。
目玉焼きに、ソーセージを焼いただけの簡単な料理でしたが、とても嬉しくて、「美味しかったよ〜!ありがとう。」と泣いてしまいました。

そして今年の母の日は、夕食にナポリタンを作ってくれました。 【サラダは別です(笑)】

息子くんにとっては、昨年の母の日が最初の「弁当の日」だったんだなと思います。

「弁当の日」は、現在では2000校以上で実施されているそうです。
本も出されていますので、是非一度読んでみて下さい。


映画の公式サイトは
こちらです。